2017-11

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透析患者と薬の覚書

とりあえず、うちの薬局にある透析患者に使われる薬の整理として。

◆透析に使われる主な薬
分類商品名一般名用法用量
P吸着剤(高P血症治療薬)カルタン沈降炭酸カルシウム1日3g分3
フォスブロック
レナジェル
セベラマー塩酸塩1回1~2gを1日3回食直前(最高9g/日)
ホスレノール炭酸ランタン水和物1日750mgを開始用量とし、1日3回食直後(最高2,250mg/日)
キックリンビキサロマー開始用量:1回500mg1日3回
最高7500mg/日
Ca受容体作動薬レグパラシナカルセト塩酸塩1日1回25mg(最高100mg/日) 増量は25mg/3W
活性型VD3製剤アルファロール
ワンアルファ
アルファカルシドール1日1回0.5~4μg
ロカルトロールカルシトリオール1日1回0.25~0.75μg
ホーネルファレカルシトリオール1日1回0.3μg
高K血症治療薬アーガメイト
カリメート
ポリスチレンスルホン酸カルシウム1日75g~150g(ゼリー3~6個)を分2~3回
ケイキサレートポリスチレンスルホン酸ナトリウム1日39.24g(DSで12P)を分2~3回 水に縣濁して服用
代謝性アシドーシス是正重曹炭酸水素ナトリウム1日2~5g(6~10錠)を数回に分服
透析導入の遅延クレメジン休憩吸着炭1日6gを分3

◆その他
起立性低血圧の改善ドプスドロキシドパ1回量200 ~400mgを透析開始30分から1時間前に経口投与
リズミックアメジニウム透析開始時に1回10mg
掻痒の改善レミッチナルフラフィン1日1回2.5μg(最高5μg/日)
便通コントロールD-ソルビトール1日3g~9gを分3など
タンナルビンタンニン酸アルブミン1日3~4gを分3~4回


◆透析患者の便秘にD-ソルビトールが使われる理由
HP:http://quiz.38-8931.com/ より

透析患者に酸化Mgを投与すると、血清Mg濃度が上昇する恐れがある。
長期間に渡り、より安全に使える下剤としては糖類下剤のらくつろーる、ソルビトールが最適と考えられる。
これらの下剤は酸化Mgと同様の浸透圧下剤であるため、腸管内に水分を保持することにより、便を柔らかくする効果がある。
透析患者の便秘は不溶性の薬剤(P吸着剤、K吸着剤)により硬結便を示すことが多いことから、便秘になりやすい薬剤の服用者では理にかなった下剤である。

◆乳酸カルシウムと透析患者~炭酸Caと乳酸Caの違い~

Ca剤はいずれも胃酸により溶解し、Caイオンを放出する。放出されたCaイオンは周囲のリン酸と不溶性塩のリン酸Caとなって、糞便中に排泄され、リン吸着剤としての作用を発揮する。

しかし、空腹時に服用するとリン酸が無いため、放出されたCaイオンが血清Ca濃度を挙げる作用が現れる。

したがって、炭酸Caも乳酸CaもいずれもP吸着剤や血清Ca上昇の目的に使用可能である。

ただし、炭酸Ca1g当たりのCa含有量は400mgであるのに対し、乳酸Ca1gあたりのCa含有量は149mgと炭酸Caの方が多い。乳酸Caを炭酸Caと同等のP吸着効果を期待する場合は単純計算で2.7倍の量を服用する必要がある。従って、乳酸CaはP吸着剤としては使われないことが多い。P吸着剤として保険適応があるのも炭酸Caのカルタン錠のみである。
ちなみに、同じく沈降炭酸Ca剤である炭カルにはP吸着剤としての保険適応が無く、制酸剤としての適応になる。

炭酸Caの特性として胃内Phが低く産生状態で溶解しにくい性質があるので、PPIやH2ブロッカーと併用する場合はP吸着作用が低下することがある。従って、これらの薬剤の併用により血清P値が上昇する症例では炭酸Ca製剤から塩酸セベラマーや炭酸ランタンの投与に切り替えることが勧められる。

以上。
<追記>
本日、透析Ptにてキックリンとレナジェルの併用されている処方が出た。

当該Ptは門前病院では新規の定時薬処方のPtであったが、処方自体は他院で入院時から処方されていたものと同じであったという。

それで、P吸着剤のキックリンとレナジェルが併用されていたため、そのまま門前でも併用として処方が切られていた。
入院先の処方元に疑義照会するも、臨時の医師は週1の勤務であり、連絡がつかず…。

とりあえず、そのまま調剤となったが、以降はいずれかが削除になる可能性もある。

同じP吸着剤でも沈降炭酸カルシウム(以下沈Ca)とレナジェルは併用されたりするが、キックリンとレナジェルは同じ作用機序であるらしく通常は併用されないようである。

ちなみに今回のPtはODP希望であったが、キックリンはメーカーに問い合わせたところ、おすすめはしないがODPは可能らしい(無包装の状態で湿度85、93%、30度、暗所で1か月間安定であったという報告有)。

普通に併用されると思っていたが、そうでもないんだなぁ。

<更に追記>
レグパラって添付文書には『カルシウム受容体作動薬』と分類分けされているけど、具体的に良く分からなかったので、追記でまとめておこう。

レグパラの効能効果としては、以下の通り
1.維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症
2.副甲状腺がんなどのによる高カルシウム血症

1と2では用法用量が多少異なっており、特に1の場合は1日1回投与だが、臨床では必ずしもそうではない。

さて、維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症とはなんだろうか。
レグパラの製造販売元の協和発酵キリンのHpに説明があったので見てみた。

まず、副甲状腺について。
副甲状腺は副甲状腺ホルモン:PTHを分泌することにより、血中カルシウム濃度を一定に保つ働きをしている。
ちなみにPTHは腎臓に作用して、リンの再吸収を抑制する。
更に活性型ビタミンD3の参政を促進し、腎臓でのカルシウムの再吸収を増大させ、一方では腸管からのCa吸収を促進する。そして骨吸収を促進する働きもある。

さて、透析Ptは腎臓の働きがて犯しており、排出されるべきリンが蓄積され(高P血症)、そして腎臓でのカルシウム再吸収も低下し、体内のカルシウムも不足している(低Ca血症)状況にある。

こうした高P血症と低Ca血症を是正するために副甲状腺からPTHが分泌される。
しかし、この状態が続くと副甲状腺が過形成となり、PTHが過剰に分泌されたままとなる。
この状態が二次性副甲状腺機能亢進症である。

二次性副甲状腺機能亢進症となると、骨吸収が促進するため骨がもろくなる。
また、骨から溶け出した、PとCaにより皮膚のかゆみが起こったり、臓器に沈着し、石灰化を引き起こすとのこと。

なるほど、だからレグパラなどを投与して、PTH分泌を抑制することが効果的な訳なんだね。

そのほかにも、P吸着剤、活性型ビタミンD3製剤もPとCaのバランスを整えることでPTHの過剰な分泌を抑えることにつながるが、高Ca血症のリスクがある。



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紆余曲折を経て、2012年薬剤師になりました新米薬剤師のブログです。
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